---はじめまして、今日はよろしくお願いします。 まず、お名前からお聞かせください。 テーワリットノーイ(以下、テーン) テーワリットノーイ・SKVジム、 本名はユーソップ・シーマクです。 ニックネームはテーンといいます。 ---それではこれからテーン選手とお呼びしますね。 「テーン」というのは意味のある言葉なのですか? テーン はい。テーンは「突き刺す」という意味で、 僕の得意な膝蹴りのテンカオ(「テーン」+「カオ(膝)」)のテーンです。
最初はちょっと緊張気味に? 優しい声でポソポソ話し出すテーン
---それでは膝蹴りが得意技なのですね? テーン そうですね。僕はムエカオ(組んでの膝蹴りを主武器にするタイプ)の選手で、 プラム(首相撲)からのティーカオ(膝蹴り)が最も得意です。 --生年月日と出身地、身長と通常体重は? テーン 仏暦2520年(西暦1977年)3月8日で24歳になります。 タイ国パンガー県出身で、173cm、62kgです。 ---家族構成は? テーン 父と母、弟が一人に妹が二人、僕は長男です。 結婚はまだしていません。彼女もいないです。 ---日本は初めてですよね。 東京の印象や日本食はいかがですか? テーン 街が綺麗ですごくいいですね。 日本食は刺身は苦手ですけど、牛丼が美味しかったですよ。 ---(^ ^;(^ ^;(^ ^;(^ ^;(^ ^; ※インタビューはランチをとりながら行われたのだが、 実はこの時頼んだ和定食に、刺し身が付いていたのだ(笑)。
---遊びに行ったりはしていないんですか? テーン はい。まだ、練習や食事の他にはどこにも行っていません。 試合も近いですしね。 ---流石はチャンピオンですね。 日本の女の子はどうですか? テーン (照れながら)かわいくて綺麗でいいですよね。 日本人の恋人ができたら最高ですね。 ---テーンさんほど男前なら何処に行っても大モテですよ。 好きな娘のタイプは? テーン 色が白くて髪が長い、背の高い娘がいいですね。 ---やっぱり!ナックムエ(ムエタイ選手)の定番の答えですね(笑)。 よかったら、日本人のそんな娘を紹介しましょうか? テーン いやあ、まだ選手ですし、まだいいですよ(恥)。 でも、将来、日本に住んで日本人の綺麗な彼女ができたらいいですね。
見よ!この端正なルックスを。 天は二物を与えてしまったのね
試合では王者のオーラ全開。 不敵な笑みは自信の表れか…
---冗談はともかく、ムエタイの話に戻りましょう。 戦績はどのくらいですか? テーン 大体ですけど、 120戦100勝15敗5引き分けでKO勝ちは2つです。 ---KO勝ちが意外と少ないんですね。 テーン ダウンを取る事はありますけど、ムエタイはギャンブルの対象なので ポイントを奪ったら無理に倒さないで確実に勝たなくてはいけませんからね。 それでもチョークディー(現ルンピニースタジアム認定ジュニアウェルター級王者、 チョークディー・ポープラムック)には膝蹴りで4ラウンドKO勝ちしているんですよ。 ---二階級上のチャンピオンにKO勝ちですか!それは凄いですね。 初めて試合をしたのはいつ頃なんですか? テーン 故郷のパンガーで8歳の時にデビューしました。 ファイトマネーは150バーツ(現在約450円)でしたね。 ---それが今やラジャダムナンスタジアムのチャンピオンで、 10万バーツ選手(ファイトマネーが10万バーツ以上がタイではスーパースターの 基準のひとつ)なのですから凄いことですよね。 これまでの対戦相手で一番の強敵は誰でしたか? テーン サムゴー・ギャットモンテープ(現ルンピニースタジアム認定ジュニアライト 級王者)です。1度しか対戦していませんが、負けてしまいました。
---それでは前回(10月14日)の北沢タウンホール興行※の梅下湧暉戦に ついて振り返っていただきます。 梅下選手の印象はいかがでしたか? テーン どうということもない選手でしたが、 試合前や試合中のパフォーマンスが面白かったですね。 思わず笑ってしまいました。 ---試合は一方的でダウンを奪いながらもKOできませんでしたが、何故でしょう? テーン う〜ん、何と言うか、かわいそうで…。 ---かわいそう? テーン 最初に蹴りを打ったときの反応で実力差が解ったので、 いたずらに日本の選手を傷つけたくなかったんです。
※この日のダブルメインイベント第1試合として行われた日・タイ国際戦60kg契約5回戦で、元全日本フェザー級1位の梅下湧暉(谷山)と対戦。テーンは4Rにヒザ蹴りの連打でダウンを奪い、梅下はテーンの前蹴りで中に入れず攻めきれないまま試合終了、大差の判定勝利となった。しかしこの試合はあまりの力の差に各方面から厳しい意見が寄せられたのだ。この企画もそれを検証、払拭するために生まれたものなのである。 「これでいいのか!? テワリットノイ vs 梅下湧暉戦」参照
---テーン選手得意の首相撲からの膝蹴りも全く出しませんでしたが、それが理由なのですか? テーン そうですね。あの選手はあまりにも無防備に組んだ時に頭を下げてしまったので、 あそこで膝蹴りを打ってはあまりにも危ないですからね。 ---でも、日本のキックボクシングファンは打ち合いが好きだし、 KOできるチャンスがあるのに倒さないような試合は嫌いですよ。 テーン それは試合後に色々な人から言われました。 もうあんなことはしないようにします。 ---それなら安心しました。 それでは次(11月21日北沢タウンホール興行)の増田博正戦についてですが、 増田選手のことは知っていますか? テーン 話は聞いていますが、よく知りません。 ---増田選手の試合や練習は見たことはないんですか? テーン ないですね。同じジムで練習することがあるようですけど、 増田は昼間に5階のジム(アクティブJ三軒茶屋ジムは2フロアある)で やっているらしくて、僕は夜に2階でしていますから。 ---試合のビデオも見ないのですか? 増田選手はパンチとローキックの強い好選手ですよ。 テーン そうですか(興味なさげ)。 ---増田戦ではどんな試合をするつもりですか? テーン 梅下戦の反省もありますから、 次はプラムもティーカオも全開で行きますよ。 ---本当ですか? テーン はい。必ず膝蹴りでKO勝ちしますよ。
あまりの一方的な展開に、 観客もただただ呆然としていた
---それは面白くなりそうですね! テーン選手の全力が出せる試合を期待します。 話は変わりますが、最近、9月7日、 後楽園ホールで現役のラジャダムナンスタジアム 認定ライト級王者のテーパリット・シットクヴォンイム選手が小林聡選手に 4ラウンドKO負けしたことは知っていますか? テーン はい。驚きました。 ---それについてどう思いますか? テーン 負けた理由はその試合を見ていないので解りません。 ですが、面白くないですね。 ---ムエタイのチャンピオンに勝つことは日本のキックボクサーの夢なのですが、 小林選手は特に強い選手のいる自分と同じライト級でその目標を成し遂げました。 日本のファンは増田選手が後に続くことを皆期待していますよ。 テーン そうですか。でも、僕はさせませんよ。 増田は4ラウンドでKOします! ---予告ラウンド付きのKO宣言ですか!これは楽しみです!!! それでは今日はありがとうございました。 増田戦の幸運を祈ります。
2001年11月3日(土) スカイキャロット(三軒茶屋)にて
このインタビューは11/3に行われました。今回の企画は「KICKBOXING TRIBE」 に連動を同意、協力を得ており、当サイトを主催するOSM氏がインタビュアーとなってくれました。
テーン選手は膨大な選手層を誇るムエタイのチャンピオンの名に違わず、 一流のアスリートの持つオーラに満ち満ちていて輝いて見えましが、 それでいて謙虚で礼儀正しく、恥ずかしがりで優しくお洒落な 常にアルカイックスマイルを絶やさない好青年で、素晴らしく魅力的な人間でした。 受け答えの中では言葉を選びながらも端々にムエタイへの誇りの高さが窺えて、 その点でも非常に気持ちのいいインタビューをすることができました。 協力いただいたJ-NETWORKの大賀代表をはじめ、関係者諸氏に感謝いたします。
/「KICKBOXING TRIBE」 OSM
初めはちょっと緊張気味に?ポツリポツリと喋っていたテーンも、 時が経つにつれキュートな八重歯をのぞかせながら笑顔を交えて話すようになりました。 しばらくしてランチが運ばれてくると、インタビューは一旦中断し食事に集中したのですが、 注文した「和定食」の天ぷらは天つゆにバシャッと浸すのかと思いきや、 小粋にチョ〜ンと端を浸してパクリ。おっ、日本の心! しかし刺し身は苦手ということで、イタズラっぽい笑顔で同伴者に「あげるよ」と合図を。 更に薄味の煮物に醤油を付けて、白米にはスプーンですくった天つゆをかけて呟きました。 「味が薄い・・・」。 それでも「マイペンライ(気にしない)」、とすっかり完食。 「牛丼(松屋か吉野屋)のほうが美味しかったですか?」と尋ねると 笑顔でニッコリ頷いていましたが(笑)…。 それはともかく、テーンは本当に礼儀正しい人でした。 真摯な態度でひとつひとつの質問に真面目に答えてくれ、 本当に強い人は人間性も出来ているのだな、と妙に実感させられました。
/J-NETWORK/HP管理人・ka-y