試合結果

2001年3月23日(金)東京・北沢タウンホール
「THE CRUSADE -聖戦-」

 

 

<第1試合 J-NET・MAキック連盟対抗戦・ライト級2分3回戦>
△栗山 武 (サバーイ町田)vs 奥沢栄三郎(MA/山木)△
ドロー(30-29、30-30、30-30)

 


このところ出場選手の少ないサバーイ町田所属の栗山。相手もこの日がデビュー戦の山木ジム奥沢選手。序盤から栗山がローキック、奥沢がミドルとパンチという展開が続く。
ピンポイントに相手の前足を狙ったローキックは有効に見えたが結局お互い決め手に欠きドローとなる。ただポイント的には1人のジャッジが栗山に付けていたのでめげずに次回を期待したい。

 

<第2試合 フライ級2分3回戦>
○牧 裕三 (ソーチタラダ)vs 八幡圭一郎(アクティブJ)×
(2RTKO) 23秒、右フック
※八幡選手は、1Rに右フックでダウン。2Rにも右フックでダウンし、レフェリーストップ。

 


 試合開始からアグレッシブに攻める牧。全てが一発で倒してやるという小細工なしのファイトはJ-NETの中では稀有な存在だ。
 初回は牧のローキックが八幡の太ももにめり込み、今回はローキックで決めるのかと思いきや、パンチの連打で八幡をコーナーに詰めガードの上からでもお構いなしに殴り続ける。そして、1R終了間際に右ストレートが顔面を捕え一撃でダウンを奪う。八幡も気力で立ち上がりそこでゴング。
 2Rもダメージの残る八幡にまたも牧の右ストレート(フック?)が襲い掛かり、またもダウンを奪う。八幡はここで失神したようでレフリーが試合をストップ。
 牧はこれで連続KO勝ち。今の牧の勢いを止められる選手はいるのだろうかと思うぐらい成長著しい選手でフライ級チャンピオン路線に完全に乗ってきた。
 前述したとおり小細工無しで勝ち上がって来た今の牧には、まだズルサは必要無いと思う。見る側が分かりやすくなぎ倒すような豪快さを失わず試合経験を積みながら試合の駆け引きを学んで欲しい。

 

<第3試合 J-NET・MAキック連盟対抗戦・バンタム級2分3回戦>
○村松三之 (アクティブJ)vs  シャーク長田(MA/マイウェイ) ×
判定3ー0(30-28、30-28、29-28)

  


 デビュー戦は派手なハイキックで失神KO勝ちした村松。対するシャーク選手も2戦目と、これからの選手だ。
 立ち上がりからシャーク選手が足を使いまわりながらパンチを打ち、村松がそれを追いかけてローやパンチを返すという互角の展開が続く。ややシャーク選手のペースで試合は流れたが、2Rに出した村松のハイキックがシャーク選手の顔面をかすりたまらず「効いてないぞ」という表情をみせる。
 3Rに入るがここまでの展開からドローかなと思った次の瞬間に村松のハイキックが今度はクリーンヒットしワンテンポおいてシャーク選手が崩れ落ちる。効きながらも気合いで立ち上がるシャーク選手だったが、間もなく試合終了。
 前回に続きまたもハイキックで勝利した村松選手は、すっかり「ハイキックの村松」が定着した感がある。しかし今回は残念ながらKOはならず。2分という短い時間でのKOは難しいという事を痛感したのではないだろうか。
 バンタム級台風の目である村松は、これから更にのし上がっていく為にも連勝するしかない。次戦もおおいに期待できる。


 

<第4試合 J-NET・MAキック連盟対抗戦・68.25契約2分3回戦>
×高橋智寛 (ソーチタラダ)vs 井上真言(谷山) ○
1RKO(1分51秒、3ダウン)
※高橋選手は、パンチの連打、右フック、パンチの連打によるダウンで3ダウンを奪われる。

  


 試合開始早々から打ち合いになる。しかし高橋の大振りの攻撃は空を切り逆に井上のパンチが当たる。結局良いところ無く負けてしまった高橋だったが首相撲でのボディ打ちは有効だったと思う。

 また基本に返りモーションの少ない鋭い技を身につけて次戦に備えて欲しい。 

 

<第5試合 J-NET・MAキック連盟対抗戦・バンタム級3分3回戦>
○黒田道鷹 (アクティブJ)vs 石井武広(MA/山木) ×
判定3-0(30-29、30-29、30-28)

 


 
この日の黒田は前戦の消極的な戦いとは打って変って自分から左のミドルを蹴って行く。今まではティープ(前蹴り)中心の戦いだったが今回は気迫のこもった蹴りでアグレッシブに戦った。
 石井選手はリズムが掴めないまま試合が進行するのを防ぐ為か蹴りをつかみにかかるシーンが多く遂には減点を取られる。
 試合は判定で黒田の勝ちとなったが減点分の差(1ポイント)しか付いていないがそれ以上に積極的に攻めた事を称えたい。


 

<第6試合 J-NET・MAキック連盟対抗戦・ライト級3分3回戦>
×吉本光志(アクティブJ)vs 中村玄志(MA/山木) ○
判定0-2(29-30、30-30、29-30)


 今伸び盛りの吉本と対するのは、吉本よりも若い19歳の中村選手。しかし中村選手は、吉本と同じくライト級で期待されていた東郷を破っているだけに侮れない相手だと思っていた。
 この日もいつものように自分から攻撃を仕掛ける吉本だったが、中村選手は落ち着いて的確なパンチ、蹴り、ヒザなど多彩な技を繰り出す。攻撃の数では吉本が上回っていたように見えたが技の的確さで優った中村選手の判定勝ちとなった。
 5回戦で戦いたいと張りきる吉本にはもう少し攻守にメリハリが欲しい。相手との駆け引きの中で出る所は出るという試合運びをしないと5回戦では通用しない。
 次回こそはすっきり勝って是非5回戦で戦えるだけの力を見せて欲しい。


 

<第7試合 J-NET・MAキック連盟対抗戦・バンタム級3分3回戦>
○浦林 幹 (JMTC) vs  辻 直樹(MA/山木) ×
判定3-0(30-28、30-27、30-28)
※辻選手は、2Rに右フックでダウン有り。



 遂にバンタム級の1位になった浦林。相手は1階級下ながら、MAの1位である辻選手だ。
 毎回熱い試合で会場を沸かせ、マスコミからも高い評価を得始めている浦林は、1戦ごとに安心して試合を見れる選手に成長している。だが、今回の相手は今までに無い強敵だけあって、緊張の張り詰めた攻防が続く。
 しかし、相手の攻撃を交わして返すというタイ人のような試合運びをする浦林が徐々に自分のペースに引きずり込む。そして、2Rに一瞬の隙をついた浦林の右フックがタイミング良く決まりダウンを奪う。終始落ち着いた戦いで浦林の完勝となった。
 ちなみに辻選手はこの1週間後のMAの興行でフェザー級の選手を相手に1RKO勝ちしている事からその実力が読み取れる。
 浦林はもう5回戦で十分通用する力を証明してくれた(恐らく次戦では5回戦昇格)。バンタム級1位となった今、もうチャンピオンベルト以外見えないだろう。

 これからは自分が相手を迎えるような形になるが今まで通りのアグレッシブなファイトは忘れないで欲しい。

 

<セミファイナル/J-NET・MAキック連盟対抗戦・60kg契約3分5回戦>
△蔵満 誠 (JMTC) vs 泉ユーサク(MA/山木) △
ドロー(50-47、50-50、50-50)


  対J-NET3連勝中の泉選手をストップすべく、Jの若大将・蔵満が立ちあがった。
  序盤から蔵満が得意のローキックと首相撲からのヒザで攻撃する。対する泉もヒジで返すという一進一退の攻防が続く。 やや蔵満のヒザが終盤ダメージを与えていたかに見えたが、残念ながらドローとなってしまった。
 ただ、蔵満は今までにない自分のペースでの試合運びが出来た事から、次に繋がる戦いになったのではないだろうか?  後はもう少し相手を「ブッ倒してやる」という気迫や、非情さが欲しい。 この試合で、連勝だけは止められたものの、泉とはもっと分かり易い形で白黒をつけて欲しいものだ。
 蔵満はライト級でも十分に通用するパワーを持っている。減量に苦しむよりも、階級を上げてベストコンディションで試合に臨んでみてははどうだろう。

 

<メインイベント/タイ・日国際戦フェザー級3分5回戦>

J-NETWORKフェザー級王者

オムノイスタジアムバンタム級3位

○増田博正(ソーチタラダ)

vs

リティチャイ・パヤナン(タイ)×

判定3-0(49-48、50-46、50-48)
※勝利者インタビューで「(今後の目標は)タイのランカーに勝って、タイのランカーになりたい」と増田選手。


  当初予定されていたニューセンチャーン選手が怪我で欠場となったが、リティチャイ選手は18歳とムエタイ戦士としては最も脂の乗った年頃だけに試合前からどんな選手なのか期待と不安が交差した。
 前回のグライガンワーン戦でもそうだったが、序盤から増田が積極的に攻め続ける。危ないシーンがあったのは2Rのヒジとヒザをもらったぐらいで後は増田の強力なローキックと普段はあまり見せないヒジ、そしてハイキックととにかくこの日は動きにキレがあった。
 相手も良く見えおり、倒すのは時間の問題かと思われたが、残念ながらKOは次回にお預けとなった。だが、対戦相手の変更で、そのモチベーションを保つのが難しかったと思う中、KOこそ出来なかったものの多彩な技で会場を沸かしてくれた。
 バックプローまで放つ余裕があるとは最近の試合は単純に見ていて面白い! 増田自身がファンは何を望んでいるのかなど自分に寄せる期待を十分に分かっていてそれを試合で具現化してしまうところは正にエンターティナーだ。(セコンドからもそういう指示が出ていたし)。
 5月にはオムノイスタジアムに乗り込む。昨年、バンコクBBTVスタジアムで戦慄のKO勝ちをしてから、ちょうど1年。どれだけパワーアップしたかを証明するには、絶好のお膳立てではないだろうか。ムエタイのリングで日本人が勝つにはKO、もしくはそれに匹敵する圧勝しかない。だが、今回の対戦を見た限りではそんな心配は無用だろう。
 ぜひ豪快に勝って凱旋帰国し、一歩一歩フェザー級最強路線を進んで欲しい。