試合結果

2001年1月27日(土)東京・北沢タウンホール
「MAKING THE ROAD」

大雪という最悪の天候にもかかわらず沢山の観客に来場して頂き外の寒さもフッ飛ばすような熱い戦いが繰り広げられた。

<第1試合 52kg契約2分3回戦>
牧 裕三
(ソーチタラダ)VS 高橋茂寛(習志野)○
(2R1分33秒TKO)
※2R、高橋、ローキックでダウン有。その後ローキックでダウン、セコンドよりタオル投入でTKO。

☆この日がデビュー戦となる2人。牧選手は11月のアマキックでMVPを取りプロデビューを決意したという。対する高橋選手は名門習志野ジムが送りこむ18歳の期待の選手。

初回硬い動きながら牧選手が右ローキックで攻め込む。高橋選手は大振りなパンチが目立つ。時折牧選手のローキックに体がくの字に曲がり明らかに効いている。そこから牧選手は首相撲から顔面へのヒザに移行し顔面を捉えるシーンもあったがなんとか耐え切り1Rが終了。2回に入っても牧選手はローキックを中心に攻め込み押してローという展開で遂にダウンを奪う。そしてなおもローキックで攻め、最後はセコンドがタオルを投入し試合終了。デビュー戦をTKOで勝利した。

 デビュー戦で硬さもあったが相手を倒しに行くアグレッシブなファイトが評価出来る試合だったと思う。牧選手はオールラウンドに技を繰り出せるバランスの取れた選手に見えた。今後経験を積む事で更に強くなる可能性を秘めた選手です。3月の興行にも出場予定で更に技に磨きをかけ、フライ級の台風の目となって欲しい。

<第2試合 バンタム級2分3回戦>
村松三之(アクティブJ)VS 橋本博典(JMTC)×
(3分18秒KO)
※ハイキックによるKO

☆11月にデビューし判定で敗れたがガッツあるファイトをした橋本選手とこの日がデビュー戦だが新空手やモンスターチャレンジなどアマチュアでの実績を持つ村松選手。

 試合は村松選手がパンチ、蹴りにおいて押し気味に進める。特に右ストレートと上下打ち分けた蹴りが良かった。橋本選手も前回は左ロー一辺倒だったが今回はパンチは硬い動きが見られたが蹴りは左右のミドルが当たるようになり成長の跡が見られた。また首相撲は互角に展開され最終3Rには展開次第で橋本選手の逆転も有り得た。しかし開始早々に村松選手の右ハイキックが見事に顔面を捕え1発KOとなった。

 村松選手はアマチュア時代から相手を良く見て落ち着いて戦える事で定評があった。この日も相手が良く見えていたようで不意に技をもらうシーンも無く安定した試合運びをした。デビュー戦でこれだけ動ければたいしたものだ。2Rには胴廻し回転蹴りまで出す所から強心臓を持つ事が分かった。

 第1試合の牧選手がフライ級の台風の目なら村松選手もバンタム級の台風の目はこの村松選手ではないだろうか。

<第3試合 バンタム級3分3回戦>
黒田道鷹(アクティブJ)VS 大高一郎(MA/山木)△
(30-30、29-30、30-30)
※規定に達しない為、ドロー

☆昨年11月の試合で久々の勝利をあげた黒田選手と山木ジムの大高選手の一戦。

 前回の11月の試合のように足を使い相手との距離を取って終始戦う黒田選手。特に初回はティープでうまく距離を取り相手がミドルを打ってきた所をかわしてローなど自分のペースで試合を進める。(ただ下がりながらの攻撃で単発で終ったのでポイントにはならなかったようだが)2Rからは大高選手の重そうな蹴りも当たり出すが黒田選手も首相撲からのヒザが出始める。特に首相撲は黒田選手が完全に制し3Rもヒザが良く出ていた。ムエタイのポイントなら黒田選手の勝ちとなるような試合だったが下がりながらの消極的な試合展開が響いたのか結果はドロー。次回は相手を倒しに行くアグレッシブな試合を見せて欲しい。

 +<第4試合 フライ3分3回戦>
×佐野貴宏(JMTC)VS 井上純一(習志野)○
(2R2分24秒KO)
※顔面へのヒザによるKO

☆デビュー戦をKOで決めた佐野選手とこの日がデビュー戦の習志野ジムの井上選手。初回は佐野選手の右ローが面白いように当たる。足先を走らせた早いローで相手はカットしきれずに太ももを腫らしていた。2Rも佐野選手のローで決まるかと思われたが井上選手のボディーへのヒザが入った所から試合展開が変わり井上選手のペースとなる。特に左のボディーブロー、右のボディーストレートなどのボクシングテクニックと首相撲からのヒザはうまかった。最後もパンチで追い詰め、そこから首相撲に移行しあごへのヒザが入り佐野選手をKO(レフリーストップ)で破った。

 初回のペースを保っていれば佐野選手の勝ちとなる展開だったが井上選手が1R耐え切った事で試合が一変してしまうというシーンを見てやはり倒す時に倒しておかないと逆転もあるという怖さを見せられた。しかしローキックはもらった分だけダメージが蓄積し蘇生することは無いが井上選手は精神力で耐え切り逆転してしまうという強さを見せた。

 

<第5試合 59kg契約3分3回戦>
×坂野和正(アクティブJ)VS 泉ユーサク(MA/山木)○
判定0-3(27-30、29-30、27-30)

☆3戦連続でJ−NETのリングに上がる泉選手。今やストップザ泉を誰がするのかという課題を与えられてしまったようだ。対する坂野選手は3戦全勝でここまで来たJ−NET期待の選手。しかし試合は泉選手のパンチからロー、ミドルという展開が続く。明らかにパワーで上回り常に相手にプレッシャーをかけ続ける泉選手に坂野選手もジャブからローや右ストレートを当てるが泉選手は効いていないようだった。ダメージポイント重視のJ−NETの採点基準からすると泉選手の攻撃の方が明らかにダメージを与えている事からポイントは完全に泉選手が取って結局判定で泉選手が勝利する。泉選手はこれで対J−NET3連勝となりナント次回は3月に蔵満選手と5回戦を行う事が決定。他団体で5回戦に昇格してしまうというJ−NETにとっては不名誉な事態となった。次回の5回戦でもその強さを見せるのだろうか。

 <第6試合 ライト級3分3回戦>
黒田英雄(アクティブJ)VS ステルス牧野(MA/山木)×
判定3-0(30-25、30-26、29-27)
※ステルス、2Rにローキックで2回ダウン有

☆ここまで3連敗のベテラン黒田選手にとってはまさに背水の陣となる。ステルス選手は山木ジムのサウスポーファイターでパワーの有りそうな身体だ。試合が始まると黒田選手に硬さが見られたがローキックやパンチが入る。しかし常に前へ前へのアグレッシブな試合展開をする黒だ選手。時折ガードが下がりひやりとするシーンもあったが相手が左のミドルを蹴るのに合わせた軸足へのローキックが数回ステルス選手に当たる。2Rには遂にそのローキックでダウンを2回奪う。その後も両者倒すか倒されるかという試合を展開し会場は盛り上がりをみせる。KOこそ出来なかったものの黒田選手が嬉しい初勝利を大差の判定で飾った。こういった倒すか倒されるかというスリリングな試合はファンがもっとも望む試合なのだという事が会場の声援から分かりました。K−1でも最近ではアグレッシブな倒し合いが減り、その魅力が減ってしまったと言われているが正にファンはデッドオアアライブの倒し合いを見に来ておりそのファンの心を捉えた黒田選手こそがプロと呼ぶにふさわしいのかもしれない。

 <第7試合 ライト級3分3回戦>
稲葉 潤(サバーイ町田)VS 亀倉孝夫(習志野)×
(判定3-0)
※亀倉、2Rに2回、3Rに1回ローキックでダウン有

☆昨年はソーチタラダジムの北野選手と2戦して凄い倒し合いの試合をした稲葉選手。対する亀倉選手は元キックユニオンの新人王である。この日は予定されていた5回戦のメインがタイ人選手の来日が不可能となり流れた事からこの試合が繰り上げでメインとなった。

 初回から落ち着いて相手を見ながら的確に右のローキックを当てる稲葉選手。亀倉選手は手数が少なくこれといった技を出せないまま1Rが終了。足を引きずってコーナーに帰る亀倉選手は明らかに効いている。2Rも的確にローを当てる稲葉選手の攻撃が続き遂に身体をくの字にしながら亀倉選手が倒れ込みダウンとなる。その後も同じような形で亀倉選手はダウンするがナントか持ちきり3Rを迎える。このラウンドも亀倉選手はコーナーにもたれるようにガードを固めロ−キックを警戒しているがお構いなしに稲葉選手は攻め続け再びダウンを奪う。亀倉選手は時折蹴りに合わせたボディへのテンカオを見せたが終始試合を圧倒した稲葉選手が大差の判定勝ち。現在ライト級は西山選手に続く選手の成長が待たれる中、稲葉選手はそのポスト西山の有力候補となった。最近サバーイ町田ジムからは出場選手が減り低迷しているがこの稲葉選手の勝利でサバーイの選手が奮起してくれる事を願いたい。

 

セミ、メインとKO勝ちこそ逃したもののアグレッシブな試合を見せてくれ3回戦だけの興行とは思えない盛り上がりを見せてくれた。こういったファイトを見てファンが何を望んでいるのかが良く分かった。次回興行でもお客さんが盛り上がれるような試合が多くあることを期待したいと思います。